介護施設向け配食サービス
【2026年】介護施設の湯煎食|大手給食会社参入の背景と最新トレンド
更新日:
2026/8/26

「また湯煎食(完全調理品)の営業電話か……」
展示会に足を運んでもフード関連ブースは素通りし、営業電話も適当にあしらってきた。その理由はシンプルで「わざわざ役員や理事会に働きかけてまで、今の厨房の仕組みを変える理由」を感じていないからです。
社内稟議を通すには面倒な資料作成が必要ですし、導入後に厨房スタッフからクレームが出たり、シフト調整で余計な手間が増えたりするのは絶対に避けたいところでしょう。今の厨房運営で深刻な事故や問題が起きていないなら、波風を立てないのが一番の正解に思えます。
しかし、なぜ今、大手給食会社が一斉に「湯煎食(完全調理品)」事業に巨額の投資を行い、参入を急いでいるのでしょうか?
少子高齢化のあおりを受け、給食業界の構造はここ数年で劇的に変化しています。
「現場での手作り・現地調理」を強みとしている大手受託企業が、自社セントラルキッチンや完全調理品(湯煎食)ブランドを相次いで展開・強化しています。大手各社が湯煎食事業へ巨額の投資を行っているのは、単なる「一時的な流行」ではありません。
近年、給食・食事サービス分野で提案が増加している要因の一つとして、大手受託企業やそのグループ会社が直近(2024〜2026年)において相次いで完全調理品(完調品)事業の外販強化や新ブランド展開を進めている点が挙げられます。
LEOC|「LEOC Ready-made(レディメイド)」
展開時期:2024年4月本格展開
概要:大手給食委託会社のLEOCは、完全調理品パックと業務サポートを組み合わせたパッケージサービスを開始しました。
シダックス(シダックスフードサービス)|「元気ごはん with Oisix」等の完調品外販
展開時期:2024〜2026年にかけて拡大
概要:シダックスは親会社であるオイシックス・ラ・大地とのシナジーを活用し、現場で加熱・盛付のみで提供可能なミールパック事業を展開。直営で給食を運営する高齢者施設等に向けた外販も強化しています。
ベネッセパレット|「パレットデリ」 / 「Neoきざみ食」
展開時期:2024年10月〜2024年12月に外販拡大
概要:自社グループ(ベネッセスタイルケア等)の介護施設で培った完全調理品のノウハウを基盤に、外部の介護施設や医療機関向けへ食事支援サービスおよび外販事業の展開を広げています。
こうした大手企業による外販ブランドの立ち上げや完全調理品サービスの拡充が相次いでいる背景には、従来の現場調理を中心とした運営モデルからの転換や、業務効率化・人手不足対応への需要の高まりが見受けられます。
ここが最も重要なポイントです。なぜ給食会社は自らの主業であった「厨房委託(現地調理)」にくわえ、湯煎食の提供を展開したのでしょうか。
その理由は「委託管理費が高騰しすぎた結果、介護施設側が厨房の体制を給食会社への委託から直雇用に切り替える可能性があるから」です。
給食会社は、将来的な人手不足やコスト高騰により従来の全面委託の維持が難しくなる施設が増えること、あるいは施設側が直営へ切り替えるケースが出てくることを見据えています。そうした場面でも自社の完全調理品(湯煎食等)を活用してもらえるよう、あらかじめ受け皿となる供給体制の構築と提案を急速に進めています。
給食会社側にとっても、現地調理の受託モデルは「人材が集まりにくい、さらにこれまで以上に人件費がかかる」状況に陥っています。
2026年現在、最低賃金の上昇と歴史的な人手不足により、現場に専門スタッフを常駐させるコストは高騰し続けています。
人材募集コストの高騰: 調理員1人を採用するのに従来の数倍の求人費がかかる
早朝・休日シフトの崩壊: 欠員が出ても代替スタッフを派遣する余裕が給食会社側にない
過酷な現場負担: 人手不足による業務過多で現地の調理員が次々と離職する悪循環
大手受託企業であっても、現地調理を続けることは「いつ穴が空くかわからないリスク」を常に抱えることを意味しています。だからこそ、施設が直雇用へ切り替えた後も対応できる「湯煎食事業」へのシフトを急速に進めているのです。
こうした背景があるため、全国の介護施設で「委託給食会社からの撤退打診」や「値上げ要請」が相次いでいます。
施設側が「今の委託会社がずっと現地調理を続けてくれるだろう」と高をくくっていると、ある日突然「来期の契約更新はできません」「維持したければ委託費をアップしてください」という宣告を受けることになります。
施設側が「湯煎食を活用した直雇用オペレーション」の選択肢をあらかじめ持っておくことは、単なる業務改善ではなく、給食会社からの突然の撤退・値上げ通知に対する最強の防衛策となるのです。
ここまでは、大手給食委託会社が湯煎食(完全調理品)の分野に参入をする背景を述べました。ここからは湯煎食のメリットを改めて整理していきます。
管理面・コスト面で介護施設が享受できる最大のメリットは以下の3点に集約されます。
従来の調理では、包丁さばきや味付け、刻み食・とろみ食などの特殊食対応など、専門資格や長年の経験が必要でした。
しかし、湯煎食なら「温めて、袋を切って、盛るだけ」。採用したての初心者パート職員でも初日から間違いなく提供できるため、教育コストや「あの人しか作れない」という属人化のリスクが完全に消滅します。
現地調理の委託契約では、食事の提供数に関わらず高い「管理費・人件費(固定費)」が発生します。湯煎食×直雇用にシフトすることで、この高額な管理委託費をカット。食事を出した分だけ費用が発生する「食数に応じた変動費化」ができるため、トータルでの厨房運用コスト削減(年数百万円単位のコストカット事例も多数)に直結します。
仕入れ・仕込み段階で発生する生ゴミや余剰食材のリスクが減ります。
また、管理の厳しい大型工場で加熱殺菌・急速冷却された状態で届くため、現地厨房での食中毒リスクを極限まで低減できます。
「湯煎食のメリットは理解できたけれど、味やメニューのバリエーション、対応力に限界があるのでは?」
そう思われるかもしれません。しかし、これだけ大手企業や新規参入が相次いだ結果、湯煎食市場の競争は激化し、サービス内容の多様化・進化が凄まじい勢いで進んでいます。
かつてのような「どれを選んでも大差ない湯煎食」の時代は終わり、現在はそれぞれの施設が抱える「固有の悩み」に合わせて最適解を選べる時代になっています。
以下は実際に存在するメーカーの例です。
ご飯や汁物まで丸ごと頼みたい施設へ
「おかずだけ届いても、米を炊く手間や汁物の用意が面倒」という声に応え、白飯や汁物も一括でパッケージ化して納品する全量供給型のメーカー。
医療・介護度の高い入居者が多い施設へ
塩分・たんぱく調整食はもちろん、刻み食やとろみ食、ムース食など、高度な食形態への対応に特化したメーカー。
そもそも厨房のパートが集まらない施設へ
食材の提供にとどまらず、現場で盛り付けや配膳を行う調理パート人材の確保・派遣までワンストップで支援するメーカー。
このように、施設の課題に応じた最適なパートナーを選べる環境はすでに整っています。
「とはいえ、いきなりすべての食事を湯煎食に変えるのはハードルが高い……」と感じるのも当然です。現場の混乱やスタッフの反発を避けるためにも、最初から100%切り替える必要はまったくありません。
まずは、人手不足になりがちな「土日のみ」、あるいは手間の割に早朝シフトの負担が大きい「朝食のみ」といった「部分導入」の選択肢を頭の中に置いておくだけで十分です。
「いざという時は、土日や朝食だけでも湯煎食に頼れる」というカードを持っておくだけで、シフト管理のストレスは激減し、急な欠員や急逝・退職による厨房の崩壊を防ぐ安全網になります。
「選択肢が増えたのはありがたいけれど、自施設に合うメーカーを1社ずつ調べて比較するのは大変すぎる……」
そう感じた方にこそ活用していただきたいのが、私たちセカンドラボです。
セカンドラボでは、全国40社以上の完調品・湯煎食メーカーの情報を一元管理しています。各社の強みやコスト感、部分導入の可否、食形態の対応力から配送エリアまで、あらゆる データを網羅。貴施設の運営状況や課題をヒアリングした上で、最適なメーカーをご提案します。
「委託会社から突然の値上げを提示されて困っている」
「土日や朝食のスタッフが集まらず、シフトが崩壊しそう」
「まずは一部の食数で試食をし、現場の反応を見てみたい」
理由なき変更は不要ですが、いざという時の「備え」や「比較対象」を持っておくことは、これからの施設運営において最大の強みになります。
セカンドラボでは現在、各メーカーを比較した資料をご提供しております。
ご希望のご担当者様は以下よりお問合せください。
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