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【来年4月開始?】食品消費税1%化に備える介護施設の逆算スケジュール|自前調理・給食委託それぞれ解説
更新日:
2026/8/3

「食品の消費税率を1%に引き下げる」という構想についてニュースで耳にし、
「早ければ来年4月から始まるのか」
「自施設の厨房予算や給食委託契約はどう変わるのか」
と気になっている介護施設管理者の方も多いのではないでしょうか。
まず押さえておくべき重要なポイントは、
「来年4月1日からの施行に向け、政府・与党は通常よりもスケジュールを前倒しして法整備を進める方針であるものの、現時点ではあくまで『検討・方針段階』であり、対象品目の詳細や最終決定は今後の国会審議等を待つ必要がある(まだ未確定である)」という点です。
また、介護現場の厨房運営において絶対に見落とせないのが、
仮に実現した場合、自前調理で購入する食材や完全調理済み食品は1%対象となる一方、給食委託会社に支払う委託費は10%のまま据え置かれる見通しであるという構造的ギャップです。
本記事では、最新の決定フロー(見通し)とタイムスケジュールを整理した上で、現時点の「確定・未確定要素」、自前調理と給食委託のそれぞれに与える影響、そして今から準備すべき実務ロードマップを解説します。
来年4月からの制度適用に向け、政府は通常のフローではなく、前倒しのスケジュールで準備を進める方針を示しています。
ただし、「まだ何も確定していない」という前提でニュースを見守る必要があります。
最新の検討スケジュール
① 政府方針の閣議決定(8月上旬)【方針の表明】
② 税制改正大綱のとりまとめ(9月)【細部ルールの提示】
③ 臨時国会への関連法案提出・成立(秋)【正式決定の節目】
④ 政省令の公布・現場周知・システム改修(冬〜3月)【詳細Q&A公布】
⑤ 施行(来年4月1日〜約2年間の時限措置)【制度スタート】
ステップ①:政府方針の閣議決定(8月上旬)
食料品減税の大枠について政府方針を閣議決定します。
(※この時点ではまだ「方針」であり法律ではありません)
ステップ②:与党税調の議論・税制改正大綱(9月)
党内の税制調査会(税調)にて議論が進みます。ここで医療食・介護補助食が1%の対象に含まれるかどうかの「線引き案」が初めて示される見通しです。
ステップ③:秋の臨時国会への法案提出・成立(秋)
秋の臨時国会で法案が可決・成立して初めて、「来年4月1日施行」が正式(確定)となります。
国会の審議状況によっては内容の修正や施行時期の変更もあり得ます。
ステップ④:政省令の公布・現場準備期間(冬〜3月)
法案成立後、国税庁や厚生労働省から「Q&A」や具体例が公布されます。ここでようやく現場の事務処理ルールが100%確定します。
対象品目の境界線: とろみ調整食品、濃厚流動食、栄養強化食が「飲食料品(1%)」になるか「医薬品・雑貨等(10%)」になるか
過渡期(時限措置)の正確な期間: 「約2年間」とされているが、具体的な終了期日や終了後の税率
法案の最終成立: 今秋の国会で法案が可決されるまでは、制度導入自体が決定事項ではありません
制度が決定し、来年4月にスタートした場合に介護施設が直面するのが「自前で買い付ける食材・完調品」と「受託会社に支払う委託費」の税率の違いです。
自前調理の食材・完全調理済み食品(完調品): 形態が「飲食料品の購入」であるため、軽減税率(1%)が適用される見込みです。
給食委託会社への委託費(人件費・管理費等): 厨房運用や調理・配膳という「役務の提供(サービス)」に対する対価であるため、軽減税率は適用されず標準税率10%のままとなる公算が大きいです。
一般的な給食委託費の内訳は、おおむね「食材費相当分が約30〜40%」「調理スタッフ人件費・光熱費・受託費が約60〜70%」で構成されています。
委託会社へ一括払いしている場合、1%へ減税されるのは委託費のうち食材費相当分(3〜4割)にとどまり、残り6〜7割の人件費・管理費分には10%がかかり続けます。近年の最低賃金引き上げに伴う人件費高騰も相まって、「食材税率が1%になっても、委託会社からの委託費値上げ請求は止まらない」という事態が生じます。
制度の細部は未確定ですが、秋以降に法案が成立してから慌てないよう、現状のデータ整理など「今すぐできる準備」を進めておくことが重要です。
軽減税率導入時に | 今からできる | |
|---|---|---|
経理・仕入れデータ | トロミ剤や栄養補助食品で | 自施設で買い付けている全品目をリスト化し、「確実に食品(1%想定)」「消耗品(10%想定)」「グレーゾーン(要確認)」に分類しておく。 |
食費基準額との計算ズレ | 補足給付の基準日額に対し、 | 税率が1%になった場合、10%に留まった場合のパターン別で、利用者請求額や収支の試算シミュレーションを事前に行っておく。 |
コスト削りの限界 | 1〜2gの肉のカット調整、 | 税制変更を待たずに、完調品導入などの「オペレーション構造の省力化」への検討を開始する。 |
構造的影響: 自社で購入する食材・完調品(1%)のコスト低下メリットをダイレクトに享受できる見込み。
課題とリスク: 調理員を直接雇用しているため、今後は最低賃金上昇などがダイレクトに経営を圧迫する可能性がある。
来年4月に向けたアクション: 秋の法案成立・詳細確定のタイミングに合わせて、「一部献立の完調品(クックチル・パック食)化」を進め、調理員の人件費を抑制する試算を行う。
構造的影響: ランニングコストの大部分を占める「完調品の購入」が1%となるため、今回の制度変更が実施されれば恩恵を最も大きく受けられる構造。
課題とリスク: 発注品目数が多くなるため、納品書の税区分チェック作業が増加する懸念。
来年4月に向けたアクション: システム会社と連絡を取り、「仮に1%税率が導入された場合のシステム改修スケジュール」を事前に確認しておく。
構造的影響: 委託費の大半(人件費・管理費分)に10%がかかり続けるため、全体としての減税メリットを感じにくい。
課題とリスク: 委託会社から「税制変更に伴うシステム対応」や「人件費高騰」を理由に委託費アップを求められる可能性。
来年4月に向けたアクション: 委託会社に対し「制度が成立した際、請求明細において食材費分と人件費・管理費分を分けられるか」について早期に打診しておく。
確定していない現段階だからこそ、「ニュースの確定情報」と「現場の準備」を切り分けて進めることが肝心です。
[ ] 自施設の「食材購入費(1%候補)」と「人件費・委託費(10%候補)」の金額比率を把握する
[ ] 厨房で購入している消耗品・補助食品等の仕入れリストを洗い出しておく
[ ] 9月公表予定の「税制改正大綱」で、介護補助食等の扱いに関する線引き案を確認する
[ ] 秋の臨時国会での「関連法案成立」を確認し、正式決定であることを把握する
[ ] 会計ソフト・受発注システムの「1%税率対応」改修時期と費用を確認する
[ ] 給食委託会社または食材卸業者と、来年4月以降の請求明細の表示形式について具体的な協議を行う
[ ] 利用者様・ご家族向けに、新年度からの食費・利用料改定等に関する案内を送付する
[ ] 納品書・請求書受領時の新税率チェック手順(事務と栄養士の役割分担)を策定する
早ければ来年4月からの開始が議論されている「食品消費税1%化」。
現時点では「まだ決定していない」という前提を忘れず、ニュースの動向を冷静に見極めることが大切です。同時に、「自前調理(完調品1%)」と「給食委託(委託費10%)」の構造的ギャップを理解し、まずは足元の仕入れ品目のリストアップなど「今できる準備」から着手していきましょう。
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