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【食材費高騰】他施設はどう対策してる?人手不足にも効く「厨房身軽化」とトータルコスト削減の正解
更新日:
2026/7/23

昨今の食材費高騰に対し、多くの高齢者施設が限界に近い対応を迫られています。矢野経済研究所の調査によると、コスト増加への対応策として約46.9%の施設が「仕入材料の見直し」を挙げ、40.8%が「メニューの変更」を実施しているのが実情です。
そこで、解決策のひとつとしてクックチル(完全調理品)の導入が検討されますが、正直に申し上げれば、純粋な「食費(材料費)」の比較においてクックチルが自前調理より安くなることはほとんどありません。一食あたりの仕入れ単価だけで見れば、安価な未加工食材を自分たちで調理する従来方式に軍配が上がるのが現実です。
しかし、仕入れ値を下げるために食材の質を落としたり、調理に手間のかかる安価な食材へ切り替えたりする「目先の節約」は、結果として経営全体の負担を増やしてしまう可能性があります。材料費を削った代償として、現場の作業時間が増えて人件費が膨らんだり、光熱費が跳ね上がったりしては、本当の意味でのコスト削減にはならないからです。
本記事では、単なる節約術ではなく、人件費・水道光熱費・採用費を含めた「厨房トータルコスト」の視点から、施設運営を安定させるための戦略を徹底解説します。

食材費を抑えるために、1円でも安い仕入れ先を求めて奔走したり、カット野菜から丸ごとの野菜へ切り替えたりする。一見、これらは正しい経営判断に見えます。
しかし、そこには経営指標に表れにくい「見えないコスト」が確実に潜んでいます。
安価な未加工食材の導入は、現場での「下処理」という重労働を増やします。
物理的な工程増:皮むき、泥落とし、芯の処理、カット、下茹で
労働時間の肥大:調理工程が複雑化し、これまで定時に終わっていた作業が慢性的な残業に
スキル依存の罠:魚を捌く、肉を切り分ける作業には熟練の技術が必要になり、新人の教育コストがかかる。
調査データでは、調理作業の効率化に成功している施設はわずか16.3%に過ぎません。1円安く仕入れるために、それ以上の人件費(時間)を現場に強いているという矛盾が、多くの厨房で起きています。
厨房職員からの「もう限界です」という言葉ほど、経営者にとって重いものはありません。食材は安くなったが仕事の負担は倍になった、という現場の不満は離職の決定打となります。
職員が一人辞めた場合、食材費の節約分など、採用費一回分であっけなく吹き飛んでしまいます。
・求人広告費や紹介手数料(一人あたり数十万〜百万円単位) | ・面接や事務手続きにかかる管理職の工数 | ・新人が慣れるまでの教育コストと、その間の生産性低下 |
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手作りこそが善という風潮がありますが、経営という観点から両者を比較すると、意外な事実が見えてきます。
評価項目 | 現場調理(手作り) | 完全調理品(クックチル) |
味の安定性 | 調理担当者のスキルに左右される | プロのレシピで常に一定の味 |
衛生管理 | 現場の清掃・温度管理リスクが高い | 工場管理でHACCP基準の安全性 |
スタッフ教育 | 熟練調理師が必要(数年の修行) | 誰でも数日でマスター可能 |
メニュー数 | スタッフの工数に限界がある | 豊富で栄養バランスも固定済み |
有事の対応 | 欠員が出ると欠食リスク大 | 誰でも提供可能でBCPに強い |
食材費が上がることを前提に、どう利益を守るか。その答えは、厨房を「身軽にすること」にあります。
完全調理品(クックチルの導入は、単なる手抜きではありません。厨房の構造改革です。食材単価だけを見れば自前調理より高く感じるかもしれませんが、トータルコストで比較すると景色が変わります。
人件費の圧縮:調理工程が「再加熱と盛り付け」のみに圧縮。早朝出勤や残業が不要になります。
水道光熱費の削減:長時間の煮炊き、大量の油・水の洗浄が不要になり、厨房の光熱費を抑制できます。
廃棄ロスの撤廃:必要なパックを必要な分だけ開けるため、材料の廃棄がゼロになります。

ある特別養護老人ホームでは、調理員が突然辞め、募集をかけても半年間一人も来ないという窮地に陥りました。
やむなくクックチルを導入したところ、調理工数が激減したことで月間の残業代が平均15万円削減。さらに「作業が楽になった」ことで職員の定着率が向上し、結果として厨房全体の運営費が導入前より約18%改善されました。
これから厨房のあり方を見直す経営層・施設長の方々に向けて、検討すべき基準をまとめました。
まずは食材費単体ではなく、以下の数字を抽出してください。
調理スタッフの総残業代(サービス残業分も含む実態把握)
給食部門に関わる水道光熱費の概算
過去3年間の求人・採用活動にかかった総コスト
手作りにこだわりすぎて、現場が疲弊していないかを確認します。
朝5時からの下処理作業が負担になっていないか?
欠員が出た際、管理職が現場に入って業務を補っていないか?
盛り付けやレクリエーションなど、利用者のQOLに関わる作業に時間が割けているか?
現場調理員は「自分の仕事が奪われる」と不安を感じることがあります。手抜きをするのではなく、より高度なケア(行事食の工夫や栄養管理)に時間を充てるためのポジティブな移行であるという経営メッセージを伝えることが成功の鍵です。
施設運営において、最大のリスクは「食事が提供できなくなること」です。
人手不足や急な欠員があっても、パートスタッフや代わりの職員が誰でも同じ品質で提供できるクックチルは、最強のBCP(事業継続計画)対策でもあります。
また、最新の真空調理技術は、味のバラつきを抑え、塩分を抑えつつ満足度の高い味付けを実現しています。プロの手による安定した味を提供することは、利用者の満足度向上に直結します。
ルーチン作業から解放された職員は、浮いた時間で行事食の企画や、一人ひとりの嚥下状態に合わせた丁寧な盛り付けに注力できるようになります。コストを削るために質を落とすのではなく、仕組みを変えることで質を高める。これこそが、今の時代に求められる施設経営の姿です。

Q:クックチルに変えると、利用者に「美味しくない」と言われませんか?
A:現在のクックチルの進化は凄まじく、味のレベルは非常に高まっています。
正直に申し上げれば、熟練の職人が手間暇かけて作る最高の一皿には及ばないかもしれません。しかし、近年の真空調理技術や急速冷却技術の発展により、「味の染み込み」や「素材の食感」の再現性は飛躍的に向上しています。
イメージしていただきたいのは、近年のコンビニで売られているチルド惣菜のクオリティです。「レトルト」という言葉から想像される味とは全く別次元で、家庭の味と遜色ないレベルにまで到達しています。現場調理でありがちな「担当者による味のバラつき」や「煮込み不足で野菜が硬い」といったリスクをゼロにし、毎日安定して「合格点の味」を提供し続けられることは、施設運営において大きな強みとなります。
Q:一部の献立だけを導入することは可能ですか?
A:はい、可能です。最も人手の足りない朝食だけ、あるいは人手が必要な刻み食・ムース食だけを切り替えるハイブリッド導入から始める施設様も増えています。
Q:現在の調理機器はそのまま使えますか?
A:基本的にはスチームコンベクションオーブン(スチコン)や湯煎機があれば、そのまま活用いただけます。大掛かりなリフォームは必要ありません。
食材費高騰、人手不足、採用難……。
これからの時代、気合や精神論で現場を回し続けるのには限界があります。
私たちは、貴施設の現状(食数、人件費、運営状況)をヒアリングし、クックチル導入による具体的な収支シミュレーションを無料で行っております。
今のやり方を続けた場合と、身軽な厨房へ切り替えた場合のコスト差を一目で見える化し、安定経営に向けたロードマップをご提案します。
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